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カナダ、トランス差別禁止法を導入へ トルドー首相表明

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カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は16日、トランスジェンダー(性別越境者)をヘイトスピーチ(憎悪表現)や差別から守る法律の導入を目指す意向を表明しました(参考記事)。

内容は、既に人権に関する基本法として存在する「カナダ人権法」の範囲を広げ、トランスジェンダーを保護対象に含めるというものです。また刑法上のヘイトスピーチを禁止する条項に、トランスジェンダーに対するヘイトスピーチも含めます。カナダでは2011年にも同様の法案が提案されましたが、上院において否決されていました。しかし、現在はトルドー首相が党首を務めるカナダ自由党が議会の過半数を占めているため、トランスジェンダー差別禁止法の実現は確実視されています。

カナダのトランスジェンダー活動家アマンダ・ライアンがカナダのテレビ局CTVに語ったところによると、すでにカナダの多くの地方自治体には独自のトランスジェンダー保護法が存在するため、今回の提案は主に象徴的な意味を持ち「強い心理的影響があるでしょう」として歓迎しているということです。

象徴的な勝利は大事なのだけど、それに惑わされるのではなく、実質的に、暮らしの中での不具合を解消するために「使える」法律や社会制度ができているか?という視点は重要だと思います。

隣国のアメリカでは……?

隣国のアメリカでは、今トランスジェンダーを含むLGBTに対するバックラッシュが大きな問題となっています。トランスジェンダーが性自認と合致するトイレ使用を禁止しているノースカロライナ州の法律HB2などがその一例です。

アメリカでは全国レベルでLGBTに対する差別を禁止する法律は存在せず、雇用、住居、公共施設へのアクセス、連邦の資金、クレジット、教育、陪審員などにおいて性指向および性自認による差別を禁止する法律「Equality Act」の成立に向けた活動が行われています。