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「これは政治の話ではない。人権の話」人気司会者エレン・デジェネレスがミシシッピ州の反LGBT法について語る

f:id:calibaby:20160409141150p:plain Photo :http://ellentube.com/

アメリカの人気コメディアンでありテレビ司会者のエレン・デジェネレスが、ミシシッピ州の法律について述べました。

「今日何を話したいかについて、たくさん考えました。胸から取り除きたいものがあります。それは形の変わったほくろなのです。でも、そのことについてはわたしの医者と話すことにしました(笑)」

「本当に話したかったことというのは、今週ミシシッピ州で起こったことです。ミスター・シッピーが何をしているのかはわかりませんけどね、ミス・シッピーについてはとても心配しているんです(笑)」

「ご存知でない方のために説明しますと、ミシシッピ州知事が『宗教自由法』に署名したんです。「自由」というと、良いことっぽく聞こえますよね。でも、実際にこれが意味するものというのは、こういうことなんです」

「この法律によって、『宗教上の理由です』といえば、ゲイの人々の結婚だとか、養子縁組を拒否したり、さらには、誰かをクビにしたり雇わないことにしたり、賃貸や不動産を売ることを拒否するようなことが可能になってしまうんです」

「私は、政治的な人間ではありません。本当に違います。でもこれは、政治についての話ではなくて、人権についての話です。そして、もしも何か間違ってるものを見た場合、何かを言わなければなりません。スターバックスの行列でレオタードを着ている男性を見た時と同じです。いやいや、それ違うでしょ、と思ったことについては、ちゃんと話し合わなければなりません」

「これは、私にとってとても個人的なことです、当然のことなんですが*1。私はいくつかの理由で落胆しています。まず、第一にミシシッピは、私が正しく綴れるたったひとつの州名なんです。そして第二に、それが差別の定義であることです」

「最高裁がこの件については、『結婚は皆のもの!』と、既に判決してますよね。ただの裁判所じゃないですよ、『最高』ですよ。スープリームですよ!タコ・ベルの『ナチョス・スプリーム』みたいにね」

「最高裁は、昔ダイアナ・ロスがスープリームスで言ったのと同じことを言ってるんです『やめて!愛の名のもとに』ってね。そして、ミシシッピは言ってるんです。『そういうわけにはいかないさ』って」

「多分、時には、噛み砕いた方が物事を説明しやすくなるんじゃないかと思うんです。ちょっと想像してみてください。2つのカップケーキが花屋に言って、バラの花束を欲しがりました。でも、花屋はカップケーキに花を売るということを信じていません。なぜなら、カップケーキはお金なんて持ってないからです。でもゲイはお金を持ってるんですよ!だからその花を売りやがれってんです」

「私は南部のお隣、ルイジアナ州で育ちました。子どもの頃、ミシシッピ州にはいつも言っていました。ヘレンおばさんが住んでたんです。だから、もしもあなたがミシシッピ州かノースカロライナ州とか、誰を愛するかによって人々から決めつけられてしまうような地域に住んでいるのだとしても、希望を失わないでください。私はかつて、ゲイであることによって仕事を失いました*2。だからそんな気持ちかはわかります。私は全てを失ったんです。でも今の私を見てくださいよ(拍手)」

「この世は、既に不平等であふれています。女性の権利、男女の賃金格差、人種差別。私たちは、お互いに違うよりももっと似ている部分の方が多いことを思い出す必要があると思います。私たちは皆、愛情と、受容を欲しいのです。あと、私は新しいテスラも欲しいですw」

「だから、私は憎しみではなくもっと愛情を推し進めたいのです。バラバラになるのではなく、一緒になりましょう。座りっぱなしではなく、もっと踊りましょう」


決してラディカルではないであろう視聴者を相手にお茶の間で人気を保ち続けているエレンらしい、ユーモアを交えた「怖くない」言い方のお手本のような感じだなーと思いました。

翻訳では「面白さ」がいまいち伝わらないんですが、興味のある方は、動画をご覧ください。

yuichikawa.hatenablog.com

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*1:エレン・デジェレネスは、レズビアンであることを公表しており、女優のポーシャ・デ・ロッシと結婚しています

*2:エレンのカムアウトとその後の話についてはこちらのスピーチも読んでみてください。