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ケヴィン・スペイシーのカムアウトの仕方ががっかりすぎる

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Netflixの人気シリーズ『House of Card』で主役を務めているケヴィン・スペイシーが、カムアウトしました。しかし、その方法が卑怯だと批判されています。

批判の内容については、ここらへんの記事に書かれています。

米俳優スペイシー氏の告白に非難殺到 加害行動謝罪と同性愛告白を同時に - BBCニュース

背景にあるセクハラ告発の嵐

そもそも、今ハリウッドは、有力プロデューサーであったハーヴィー・ワインスティーンによる長年のセクハラ疑惑の激震が走っており「セクハラ許すまじ」という雰囲気が漂っています。「セクハラをしてきたのはハーヴィーだけじゃない」ということで、他の名前も取りざたされており、そのなかには、男性の被害者もいます。

Rent

そんな一人として名乗り出たのがミュージカル『レント』のオリジナル・キャストであり、映画でもマーク役を努めたアンソニー・ラップでした。彼は14歳の時、ケヴィン・スペイシーに性的に誘われた、と告発したのです。アンソニー・ラップは、『スタートレック:ディスカバリー』ではシリーズ内初の同性愛キャラクターであるポール・スタメッツ役を務めており、実生活でもゲイであることを公表しています。

ラップの告発を受けたケヴィン・スペイシーは、ツイッター上で謝罪。「30年以上前のことで覚えていないのですが、もし本当に彼が言うように私が振る舞ったのならば、深くお詫びしなければいけません」と書いています。

この、『もし本当に彼が言うように私が振る舞ったのならば』って、最近のセクハラ疑惑で、決まったように出てくる「よくない謝罪」の典型例なのですが、問題はそこにとどまりません。

ツイッター上の声明の後半では、スペイシーは「過去に男性とも女性とも関係を持ったことがあるが、ゲイ男性として生きることを決めている」としてカムアウトしています。未成年の子役に対する性的虐待の疑惑が問題となっている時に、ゲイであることを認めるのは、ちょっと話をズラしているように感じられるし、ゲイとペドファイルはよく混同されてしまうため、このように混同して誤解を生みやすいゲイというセクシュアリティと、子供に対する性的虐待の話をごっちゃにするのはよくない、という訳です。

ケヴィン・スペイシーがゲイというのは公然の秘密

このカムアウトが白けた雰囲気を醸し出したのにはもう一つの理由があります。ケヴィン・スペイシーはずっと、「私生活については語りたくない」として、ゲイであることを黙っていたんですよね。しかし、書籍でアウティングされてしまい、ゲイであるということは知れ渡っていたそうです。「そうです」というのは、実は、わたしは知らなかったんですよね。でも、アメリカ人のゲイ友に聞くと、ほぼみんな「ゲイでしょ?」という感じであり、「彼はいつカムアウトしたの?」と聞くと、「え…彼、カムアウトしてないの?」と逆にそのことに驚かれるみたいな感じでした。

BBCの記事によれば、2010年には、「なぜ自分が同性愛者だと認めないのか情報サイト「デイリー・ビースト」に質問された」りしていたそうで、もうホント。なんだろう。ジョディ・フォスターとか、アンダーソン・クーパー的な存在だったのかな。こんな質問されながらも頑なに「絶対に言わない」と答えてたんですよね。ま、そこまでカムアウトしたくないなら、それはそれでいいんだけど、じゃあなんでこの最悪のタイミングでカムアウトするの?っていうことなんですよ。

ケヴィン・スペイシーは、役者としてかなり最近成功していたので、余計に、がっかりでした。ハリウッドでは多くの人たちがキャリアを失うかもしれないという恐れを乗り越えてカムアウトしています。そして、なかにはそれで実際に思事が少なくなったりしてる人もいると思います。そんななかで、キャリアの絶頂にいたケヴィン・スペイシーは、カムアウトせず、スキャンダルが発覚した後にはじめて、まるで話を逸らすかのようにカムアウトしてるわけですからね。

はー。なんだかな!

わたしは、『レント』も大好きなので、すごくがっかりしたニュースでした。

アジア系アメリカ人とアジア人の文化の違いを描いたゲイ映画『Front Cover』

この前、観たゲイ映画がなかなかよかったのでご紹介。

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ゲイ映画『Front Cover』あらすじ

ニューヨークに住むスタイリストのライアン。オープンなゲイのライアンは白人男が好きで、アジア人とつきあったことはなく、アプリで白人男を漁る日々。そんなある日、中国の人気俳優ニンのスタイリストを依頼される。ニンは、中国人であることに誇りを持っており、ただ西洋化されたファッションに身を包むのではなく、「新しい中国」を表現できるような、中国文化を理解したスタイリストを探していた。しかし、ガールフレンドたちに囲まれ、ホモフォビックな態度を持つニンは、見るからにゲイのライアンとソリが合わず、ライアンは解雇されてしまう……。

ゲイ映画『Front Cover』感想

まったく期待しないで観たのですが、なかなか面白かったです。

アジア系アメリカ人とアジアからきたばかりのアジア人の考え方の違いや、移民一世の親と、アメリカナイズされた子供との感覚の違い。さらに「白人好きアジア人」の生態と彼らが直面するマイルドな差別など、いろいろリアルでした。それでいて、ゲイの描き方がステロタイプにハマってないのもグッド。ライアンとニンの関係性も丁寧に描かれていて、個人的には、同じようにニューヨークの中国系アメリカ人のラブストーリーを描いた『素顔の私を見つめて(原題:Saving Face)』よりよく出来てると思いました。←こちらは、レズビアンのストーリーとしてはすごくイマイチなのだけど、母親のストーリーとして見ると面白い映画。

日本のネットフリックスでも観られると思うので、ぜひ見てみてください!

ゲイ映画『Front Cover』評価

  • ときめき度 ★★★☆☆
  • リアル度 ★★★★☆
  • イケメン度 ★★★★★

http://www.frontcoverthemovie.com/

LGBTxアジア系ポッドキャスト『NANCY』はめっちゃオススメ!聴いてみて!

今日は、おすすめのポッドキャストを紹介します。

Nancy | WNYC

キャシーとトビーという二人の親友が始めたこのポッドキャストNANCY。このNANCYが他のLGBT系ポッドキャストと違うのは、主催の二人がアジア系アメリカ人であるために、クィアとしての体験だけでなく、アジア系アメリカ人としての体験についてしっかり語られているという点です。

このポットキャストのメインーテーマはあくまでLGBTであり、「アジア系」ははっきりとテーマに掲げられてはいませんが、エピソードを通じてそのサブテーマは明確に意識されています。

例えば、初回エピソードのテーマは、カムアウトなのですが、移民の親が移民のため、カムアウトの時は、「移民の親にどうやって情報を渡すか」「アジア系の価値観」とのぶつかり合いが大きなフォーカスの一つになっています。中国語で書かれたチラシを添付してみたり、Google翻訳に頼ってみたり。

第二回目のエピソードでは、アメリカにおけるアジア系男性へのステロタイプが、ゲイ男性当事者に与える影響や、そのステロタイプを打ち破ってくれたアジア系のタチのポルノ俳優が当事者に与えた影響などが語られています。

もちろん、NANCYは、アジア系ネタばかり取り上げているわけでもありません。人種問わず「あるある!」となるネタも多く、どの人種の人が聴いても楽しめると思います。またショーも単なるトークではなく、毎回ゲストが登場し、ラジオならではのエモーショナルな瞬間などもあり、すごく面白いです。

英語は明瞭で聴き取りやすく、長さも1エピソードの中に10〜15分くらいの話が二つ入っているという形式で非常に聴きやすいです。

ぜひ一度聴いてみてください。

www.atashimo.com

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