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虹色ニュース&カルチャー

台湾・同性婚カップルに養子の権利が認められる

アジア地域で同性カップルへの権利擁護のトップを走っているといえる台湾が、また更に権利を拡大させた。

台湾の立法院(国会)は5月16日、同性婚のカップルにも養子縁組を認める法改正案を可決した。

台湾では2019年、アジアで初めて同性婚が合法化され、2023年の1月には、中国本土出身者を除き、外国人とのカップルにもその権利が拡大されていた。しかし、血縁関係のない子どもを自分たちの子として育てる特別養子縁組が認められるのは異性間夫婦または独身者のみで、同性婚カップルの場合はどちらか一方しか法的な親になれなかった。民進党の議員たちや、当事者たちは、これでは不十分だと訴えてきた。片方の親が死亡し、もう片方が子どもに対する法的権利を得られない場合、子どもがこれまで暮らしてきた親との関係を失いかねない。また、片方の親にすでに子供がいる場合、同性カップルの結婚を阻害する可能性さえあったためだ。

昨年1月には台湾南部の高雄市の裁判所が、男性カップルの2人に養子縁組を認める判断を下していました。しかし同じような事情のほかのケースは却下され、法改正には至っていなかった。しかし、今回の法改正案により、このようなカップルが養子縁組を行い、二人とも「親」となることが認められた。

法改正案の可決を受け、性的少数者の権利を主張する団体「台湾伴侶権益推動連盟( Taiwan Alliance to Promote Civil Partnership Rights )」は、「結婚の完全な平等に向けた大きな一歩」と歓迎する声明を出した。

参考記事:

www.npr.org

news.yahoo.co.jp

www.outjapan.co.jp

www3.nhk.or.jp

mainichi.jp

ケヴィン・スペイシーのカムアウトの仕方ががっかりすぎる

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Netflixの人気シリーズ『House of Card』で主役を務めているケヴィン・スペイシーが、カムアウトしました。しかし、その方法が卑怯だと批判されています。

批判の内容については、ここらへんの記事に書かれています。

米俳優スペイシー氏の告白に非難殺到 加害行動謝罪と同性愛告白を同時に - BBCニュース

背景にあるセクハラ告発の嵐

そもそも、今ハリウッドは、有力プロデューサーであったハーヴィー・ワインスティーンによる長年のセクハラ疑惑の激震が走っており「セクハラ許すまじ」という雰囲気が漂っています。「セクハラをしてきたのはハーヴィーだけじゃない」ということで、他の名前も取りざたされており、そのなかには、男性の被害者もいます。

Rent

そんな一人として名乗り出たのがミュージカル『レント』のオリジナル・キャストであり、映画でもマーク役を努めたアンソニー・ラップでした。彼は14歳の時、ケヴィン・スペイシーに性的に誘われた、と告発したのです。アンソニー・ラップは、『スタートレック:ディスカバリー』ではシリーズ内初の同性愛キャラクターであるポール・スタメッツ役を務めており、実生活でもゲイであることを公表しています。

ラップの告発を受けたケヴィン・スペイシーは、ツイッター上で謝罪。「30年以上前のことで覚えていないのですが、もし本当に彼が言うように私が振る舞ったのならば、深くお詫びしなければいけません」と書いています。

この、『もし本当に彼が言うように私が振る舞ったのならば』って、最近のセクハラ疑惑で、決まったように出てくる「よくない謝罪」の典型例なのですが、問題はそこにとどまりません。

ツイッター上の声明の後半では、スペイシーは「過去に男性とも女性とも関係を持ったことがあるが、ゲイ男性として生きることを決めている」としてカムアウトしています。未成年の子役に対する性的虐待の疑惑が問題となっている時に、ゲイであることを認めるのは、ちょっと話をズラしているように感じられるし、ゲイとペドファイルはよく混同されてしまうため、このように混同して誤解を生みやすいゲイというセクシュアリティと、子供に対する性的虐待の話をごっちゃにするのはよくない、という訳です。

ケヴィン・スペイシーがゲイというのは公然の秘密

このカムアウトが白けた雰囲気を醸し出したのにはもう一つの理由があります。ケヴィン・スペイシーはずっと、「私生活については語りたくない」として、ゲイであることを黙っていたんですよね。しかし、書籍でアウティングされてしまい、ゲイであるということは知れ渡っていたそうです。「そうです」というのは、実は、わたしは知らなかったんですよね。でも、アメリカ人のゲイ友に聞くと、ほぼみんな「ゲイでしょ?」という感じであり、「彼はいつカムアウトしたの?」と聞くと、「え…彼、カムアウトしてないの?」と逆にそのことに驚かれるみたいな感じでした。

BBCの記事によれば、2010年には、「なぜ自分が同性愛者だと認めないのか情報サイト「デイリー・ビースト」に質問された」りしていたそうで、もうホント。なんだろう。ジョディ・フォスターとか、アンダーソン・クーパー的な存在だったのかな。こんな質問されながらも頑なに「絶対に言わない」と答えてたんですよね。ま、そこまでカムアウトしたくないなら、それはそれでいいんだけど、じゃあなんでこの最悪のタイミングでカムアウトするの?っていうことなんですよ。

ケヴィン・スペイシーは、役者としてかなり最近成功していたので、余計に、がっかりでした。ハリウッドでは多くの人たちがキャリアを失うかもしれないという恐れを乗り越えてカムアウトしています。そして、なかにはそれで実際に思事が少なくなったりしてる人もいると思います。そんななかで、キャリアの絶頂にいたケヴィン・スペイシーは、カムアウトせず、スキャンダルが発覚した後にはじめて、まるで話を逸らすかのようにカムアウトしてるわけですからね。

はー。なんだかな!

わたしは、『レント』も大好きなので、すごくがっかりしたニュースでした。

アジア系アメリカ人とアジア人の文化の違いを描いたゲイ映画『Front Cover』

この前、観たゲイ映画がなかなかよかったのでご紹介。

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ゲイ映画『Front Cover』あらすじ

ニューヨークに住むスタイリストのライアン。オープンなゲイのライアンは白人男が好きで、アジア人とつきあったことはなく、アプリで白人男を漁る日々。そんなある日、中国の人気俳優ニンのスタイリストを依頼される。ニンは、中国人であることに誇りを持っており、ただ西洋化されたファッションに身を包むのではなく、「新しい中国」を表現できるような、中国文化を理解したスタイリストを探していた。しかし、ガールフレンドたちに囲まれ、ホモフォビックな態度を持つニンは、見るからにゲイのライアンとソリが合わず、ライアンは解雇されてしまう……。

ゲイ映画『Front Cover』感想

まったく期待しないで観たのですが、なかなか面白かったです。

アジア系アメリカ人とアジアからきたばかりのアジア人の考え方の違いや、移民一世の親と、アメリカナイズされた子供との感覚の違い。さらに「白人好きアジア人」の生態と彼らが直面するマイルドな差別など、いろいろリアルでした。それでいて、ゲイの描き方がステロタイプにハマってないのもグッド。ライアンとニンの関係性も丁寧に描かれていて、個人的には、同じようにニューヨークの中国系アメリカ人のラブストーリーを描いた『素顔の私を見つめて(原題:Saving Face)』よりよく出来てると思いました。←こちらは、レズビアンのストーリーとしてはすごくイマイチなのだけど、母親のストーリーとして見ると面白い映画。

日本のネットフリックスでも観られると思うので、ぜひ見てみてください!

ゲイ映画『Front Cover』評価

  • ときめき度 ★★★☆☆
  • リアル度 ★★★★☆
  • イケメン度 ★★★★★

http://www.frontcoverthemovie.com/