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反ゲイボクサーのマニー・パッキャオ、フィリピンの上院議員へ当選。将来は大統領候補にも?

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「同性愛者は動物以下」という反ゲイ発言で批判を受けた元ボクサーのマニー・パッキャオがフィリピンで、上院議員に初当選しました。パッキャオは、かつて、2010年から下院議員を務めた経験があり、今後はボクシングから手を引き政治に集中するそうです。将来はフィリピンの大統領に立候補する意欲を見せています([参考記事](http://www.advocate.com/world/2016/5/11/manny-pacquiao

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マニー・パッキャオはアメリカで活躍するフィリピン系やアジア系のヒーローとして強い影響力を持った人気ボクサーでしたが、反ゲイ発言を受け、Nikeのスポンサーシップを失い、ロサンゼルスの人気ショッピングモール「ザ、グローブ」などで出入り禁止となりました。しかし、地元フィリピンでは根強い人気を保っているようです(参考記事)。

フィリピンとLGBT

フィリピンはカトリック教の国ではありますが、人々の意識は比較的同性愛に寛容で、成人の73% が「同性愛は社会によって受け入れられるべきである」と考えているという調査結果が出ています。他国の結果(日本54%、韓国はh34%、アメリカ60%)と比較すると、フィリピンの寛容さが際立ちますね。しかし、フィリピンで活動するゲイグループはこの結果は「ゲイのエンターテイナーが目立つことによるもの」だといい、そのステロタイプから外れたものには生きづらい社会だといいます(参考記事)。事実、フィリピンでは、全国レベルでの反差別法や、同性婚をはじめとする同性カップルへの法的保護も存在しません。

人々の受容意識が高い反面、実際に権利侵害があった時の救済が存在しないということなんですね。今後パッキャオのような「反ゲイ派」の声が強くなっていけば、現実的な権利侵害の場面も増えかねません。フィリピンの大統領選挙では、「フィリピンのドナルド・トランプ」とも呼ばれる過激派のロドリゴ・ドゥテルテも当選しています(参考記事)。今後フィリピンはどうなっていくのでしょう。

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